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ストレスとは何か、手軽な解消法や「やってはいけない」解消法、上手な付き合い方について解説!!

現代社会は「ストレス社会」とも言われています。それは、ストレスがなく生きていくのが難しい時代だとことでもあります。

抱えているストレスの原因は人それぞれですが、それらを知って、うまく付き合うことをできるようになると、日々の生活も変化し、充実してくるのではないでしょうか。

しかし、ストレスとうまく付き合っていこうとすると、かえって感じやすくなる場合もあり、身体の調子だけでなく心の調子も悪くすることもあります。

今回は、ストレスについて知り、手軽な解消法や「やってはいけない」解消法、ストレスとの上手な付き合い方について解説します。

ストレスをただ悪いものして捉えるだけでなく、時には方にけることも大事な場合もあります。

ストレスとうまく付き合うことで、体調管理を行い病気の予防を図るだけでなく、充実した人生を得ることにもつながります。

1つでも参考にしていただけると嬉しく思います。

1. そもそもストレスって何?

私たちを苦しめるストレスについて、もう少し詳しく見てみましょう。

(1) ストレスって何?

ストレスとは、外部からの刺激などによって、体の内部に生じる反応のことをいいます。外部からの刺激をストレッサーといい、そのストレッサーに適用しようとして、心や体に生じた反応をストレス反応といいます。この両者を含めて、ストレスと表現されることあります。

(2) ストレスの元って何?

 ストレスの元、つまり原因となる外部刺激(ストレッサー)には、次のようなものが考えられます。

(ア)  物理的ストレッサー : 車や工事などの騒音、暑さや寒さ、気圧の変化などの気候条件、環境に関することなど
(イ)  化学的ストレッサー : タバコなどの空気汚染による臭いとか花粉、有害物質、薬品や添加物など
(ウ)  生理的ストレッサー : 病気やけが、不規則な生活、 睡眠不足、疲労、栄養不足など
(エ)  心理的ストレッサー : 職場や家庭における不安や怒り、恐怖、挫折、 など
(オ)  社会的ストレッサー : 人間関係、仕事、多忙、借金、結婚や就職などのライフイベント、社会的環境など

(3) コーピングについて

 コーピングとは、ストレスを感じたときに生じるストレス反応への対処行動のことです。ストレスコーピングとも呼ばれます。ストレスにうまく対処することで、生活の質の改善やパフォーマンスを上げることが期待できます。ストレスの原因がさまざまあるように、コーピングにも複数の種類があります。自分に合ったコーピングをみつけることで、ストレスと上手につい合うことが期待できます。

(4) ストレスが心身に及ぼす影響

 コーピング(ストレスへの対処行動)が適切になされていれば、ストレス反応は次第に低下していきます。しかし、対処能力を上回るほどのストレスを経験したり、慢性化すると心身にいろいろな不調をもたらします。例えば身体的な影響としては、頭痛やめまい、喘息、高血圧、アトピー性皮膚炎、下痢や便秘、胃痛、腰痛などが挙げられます。心理的な影響では、最終的にうつ病や不安障害などの状態に近づいていきます。
同じストレスでも、その程度や強さの差によって、さらには受け手の体調や心理状態などによって、良いストレスにも悪いストレスにもなり得ます。例えば、仕事の課題やノルマはある人にとっては大きな負担になりますが、別の人にとっては良い目標になり、励みになる場合もあります。

2. 良いストレスと悪いストレス

ストレスは本当に悪者なのかを考えてみます。

(1)  ストレスの種類

ストレスによる反応を、心理的、身体的、行動的の3種類に分けることができます。

(ア) 心理的ストレス反応 
 「気分が落ち込んでやる気が出ない」「興味や関心の低下などの抑うつ感」、不安感、イライラ感、活気の低下 などがあります。
(イ)    身体的ストレス反応 
 頭痛、肩こり、動悸や息切れ、胃痛、不眠、疲れやすい、食欲の低下、腰痛、喘息(咳)、身体の節々の痛み 便秘や下痢 などさまざまな症状があります。
(ウ) 行動的ストレス反応 
 遅刻や早退の増加、仕事や日常でのぽっかりミスや事故、飲酒量や喫煙量の増加、ヒヤリハットの増加、過食 等があります。

(2) 良いストレス

 良いストレスは、「快い適度な刺激」や「適度なプレッシャー」と言い換えることができます。意欲や向上心をかき立て、生き生きとした張りのある生活をもたらしてくれるものです。自分を高めていく過程に、良い刺激となってかかるストレスとも言えます。例えば、心理的社会的な刺激でも、今現在の苦しみや辛さが、その後の目標達成や夢の実現などにつながれば良いストレスと言えます。

(3) 悪いストレス

 悪いストレスとは「過度の刺激」や「過度のプレッシャー」と言い換えることができます。意欲を停滞させてやがて健康を損なってしまう恐れのあるものです。自分の意志とは関係なしに、過剰な行動を続けた結果生じるストレスをいいます。その状態を続けていくことで、心が悲鳴を上げ、やがてそのサインが身体に現れるようなストレスです。例えば、過労や人間関係の悪化や不安などで、体や心が苦しくなったり、やる気をなくしたりする場合があれば、それは悪いストレスといえます。

3. ストレスを溜めやすいタイプ

ストレスの影響は人それぞれです。そこで、ストレスに弱いと言われるタイプを考えます。

(1) 我慢強い人

 我慢強い人は、辛いことや苦しいことがあっても周囲に不満や不平を言うことがあまりありません。自分で何とかしようとしてしまうことが多いため、ストレスや不安を一人で抱え込みやすいといった側面が見られます。「我慢強い」は長所にもなりますが、悩みを吐き出せないことで、ストレスを溜め込みやすいという短所になることもあります。

(2) 完璧を求める人

 完璧を求める人は自分に厳しく、他人の評価を気にする傾向があるため、自分や周囲の行動によるストレスを溜めやすくなります。責任感が強く、妥協を許せないタイプも多く、ミスや失敗を恐れてしまい過ぎて、常に緊張感と隣り合わせの状態が多く、必要以上のストレスを感じ続けてしまうかもしれません。頑張りすぎて精神的なストレスを溜め込みやすくなる可能が大いにあります。

(3) 責任感が強い人

 責任感の強い人は、周囲から頼られたり、期待されると何とかしようとしてしまいがちになり、強いプレッシャーを感じ、それによるストレスを溜めやすくなる傾向があります。また、責任感の強い人ほど、人に頼ることが苦手というタイプも多く、ひとりで最後までやり遂げようとしてしまうため、上手く行かないときなどは思いつめてしまう傾向が強くあります。

(4) 人に合わせてしまう人

相手を優先しがちな「いい人タイプ」もストレスを溜めやすいタイプです。他人に合わせてしまい、自分の本音愚痴が言えないため、特に人間関係でストレスを抱えやすくなります。言えないことで、溜まってしまっている不安やイライラした感情で、ある時突然に心のバランスを崩してしまう可能性もあります。

(5) せっかちな人

 せっかちな人は時間に厳しく、仕事などの処理はスピーディーな反面、他人に対しても同じようなことを望む場合があります。その結果、人間関係を築きにくく、時として漠然とした不安感や焦燥感を抱えてしまうことにもなりかねません。それによるメンタル不調を起こす場合もあります。

4. 手軽なストレス解消法

生活の中に取り入れることができる、手軽なストレス解消法を提案します。

(1) 深呼吸する

  感情が変化すると、それに合わせて呼吸も変化します。私たちは、不安や緊張、ストレスを感じたとき、無意識に呼吸が浅く、速くなります。ストレスが溜まって呼吸が浅いことに気が付いたら、まずは深呼吸をしてみましょう。深く息を吐くことを意識することで、副交感神経といわれる自律神経が優位に働き、リラックスできるようになります。リラックスすると深い呼吸になります。

(2) 楽しい時間を過ごす

 気を使わない人たち(気心の知れた友人や家族)とゆったりのんびり、楽しい時間を過ごすのも、良いストレス解消法です。日頃の悩みを相談したりして、気持ちの整理をする、他人の意見を聞くことで、それまで閉鎖的だった自分だけの世界での物事の捉え方を変えることができるようになり、ストレスに対する考え方も変わるかもしれません。

(3) 頭の中をアウトプットする

 ストレスや悩みを溜め込まないで、頭の中にあるモヤモヤや感情を言葉にして吐き出すことが、1人で手軽にできるストレス解消法「書く」ことです。ジャーナリングとも言われ、頭に思い浮かんだことをありのままに「書く」ことで自分の考えていることを知り、ストレスを軽減し、メンタルヘルスを高めると言われています。ジャーナリングはエクスプレッシブ・ライティングとも表現します。

(4) 身体を動かす

 運動しているとき、他に注意を向けてしまったりするとケガをしかねません。多くの人は運動を集中して行います。身体を動かすことで落ち込んでいた気分をリセットすることができます。運動はストレスの元となり得るネガティブな気分を発散させます。心とp身体をリラックスさせ、睡眠のリズムを整える働きもあります。頑張りすぎることがない程度の軽さを、目標にするとよいでしょう。

(5) 泣いたり笑ったりする

 映画鑑賞やお笑い番組を見たり、本を読んだりして「泣いたり笑ったりする」感情のアウトプットも、ストレス解消に効果があります。自分の身に起ったことで泣くのにはエネルギーを消耗しますが、本やテレビ、DVDなどの映画なら創作されたものや他人事なので、心のダメージは少ないかもしれません。

(6) 日光を浴びる

 日光を浴びることも有効なストレス解消法です。日光を浴びることで、心を穏やかにしてくれる神経伝達物質「セロトニン」の分泌が促進されます。また、日光浴によって生成されるビタミンDは、脳の働きを正常に保つ働きがあります。ビタミンDには免疫力を向上させ、メンタルヘルスにも良い効果があるとされています。そして、日光浴は、ストレス解消やメンタルを安定させる効果があります。

(7) 打ち込めるもの・ことを持つ

 趣味などの打ち込めるものやことに没頭することも大きなストレス解消になります。打ち込めるものやことは人それぞれで構いません。好きな映画や小説、ゲームなどの娯楽に触れたり、音楽を聴いたり演奏したりすることもいいでしょう。スポーツを打ち込んだり、旅行に出かけることも素敵です。また、共通の趣味を持つ人たちと関わることで、より視野が広がるかもしれません。

(8) ゆっくりお風呂に入る

 入浴は効果的なストレス解消法と言われています。お風呂に入ると、活動時に優位になる自律神経の交感神経が、休息時に優位になる副交感神経に切り替わります。副交感神経は、身体を緊張から解放してリラックスさせる神経です。ゆっくりお風呂に入ると「気持ちいい」という気分になります。このとき幸せホルモンと言われるセロトニンの分泌が活発になり、ストレス解消に役立つのです。

(9) 瞑想する

 瞑想には、ストレスや不安を軽減させる効果があります。瞑想はリラックスを与えてくれ、心身が落ち着き、健康的な状態に戻すと言われています。瞑想することによって、脳内の感情処理を司る偏桃体に影響を与える可能性があることが示されており、それによる感情コントロール力の向上にも効果があるとされています。

(10) おいしいものを食べる

 好きなものやおいしいものを食べると幸せな気分になります。忙しくてゆっくり食事の時間が取れなかったというときは、自分の好きなものやおいしいと思うものをゆっくり食べる時間を取ることで、ストレス解消につながる可能性が大いにあります。また、飲み物は、リラックス効果のある、例えばハーブティーやホットミルク、お茶や適量のお酒なども良いでしょう。

(11) 誰かと話をする

 家族や友人などの心を許せる誰かに自分の思いや感情を会話することで、ストレスを解消することができます。これは「カタルシス効果」ともいわれ、心の中に溜まっている不安や不快感、イライラなどを発散させることで、気分を落ち着かせることを指します。一人ではなかなか落ち着かせることができない場合でも、他人とのつながりを持つことで、安定させることができるようになります。

5. 「やってはいけない」ストレス解消法

ストレス解消法のつもりでもやってはいけないことを提案します。

(1) お酒を飲み過ぎない

 過度にお酒を飲んで嫌のことを忘れようとすることはお勧めできません。お酒を飲んでストレスは発散しようとする考える方もいますが、飲み過ぎは健康を損なう恐れがあり、飲み過ぎた翌日に影響が出る恐れもあります。それが、さらなるストレス原因になる可能性もあります。

(2) やけ食いをしない

 やけ食いは「感情的摂取」ともいわれ、感情に対する反応として食べる行為を指します。そんなにお腹がすいていないのに何らかの感情が引き金になってたくさん食べてしまうことです。食べ過ぎたという罪悪感から自己嫌悪に陥ってしまったりすると、いっそうのストレスを感じてしまう場合もあります。また、食べ過ぎて体調不良になったりすると、心身共に負担を感じる原因にもなります。

(3) 衝動的に高価な品物を買わない

 ストレスが溜まると、洋服や身の回り品などを買うなど、衝動的に買い物をしてお金を使うことがあります。その後で、ストレスによる衝動買いをした自分を責めたりして、ネガティブな気持ちになることもあります。欲しかったものを思い切って買う行為には快感を伴いますが、あとから後悔が伴う買い物は、ストレス解消にはなりません。むしろストレスの連鎖を生み出すことになりかねません。

(4) たばこを吸い過ぎない

 ストレス緩和のためにタバコを吸うという人もいますが、それはニコチンがきれることでの離脱症状が緩和するだけのことで、喫煙がストレスの解消につながるということではありません。ニコチンが切れると再びストレスを感じる場合もあるので、喫煙による一過性のストレス解消にすぎないと言えます。ニコチンは、タバコの葉に含まれている、依存性の高い物質です。

(5) 寝すぎない

 疲れが溜まっているとき「疲れたときは寝るのが一番」とばかりに、寝すぎてしまうことがあります。よく寝ることは、疲労回復やストレス解消につながるかもしれませんが、普段の生活のリズムを崩してしまう場合もあり、かえって、睡眠の質を下げ疲労感を上げてしまうこともあります。ストレスを溜め込まないためには、質の良い睡眠の確保が大切になります。

6. ストレスとの上手な付き合い方

最後に、ストレスとの付き合い方を提案します。

(1) ストレスが溜まっていることに気づく

 ストレスは、誰でも少なから感じているものです。過度のストレスを溜めずに、適度なストレスと付き合っていくためのポイントの一つは、「自分のストレスが溜まっていることに気づく」ことです。気づきのポイントとして2つ考えられます。1つは心のサインです。「よく眠れない」「食欲がない」「イライラが多くなった」などは、心の不調としてのサインと考えられます。サインに気づいたら早めに相談し、対処することが大切です。2つ目は、心の不調のきっかけとなる出来事やストレスの要因に気づくことです。気になる場合は、職場の上司や同僚、家族等、相談しやすい人に相談してみることをお勧めします。

(2) ひとりで悩まない

 ストレスが溜まっていることに気づいたら、1人で悩み・抱え込まないで、家族や信頼のおける友人や同僚にストレスを感じていることを話してみることです。話し聞いてもらうことで気分の整理がついたり、気持ちが楽になり、ストレスの解消につながりやすくなります。また、職場で相談窓口を設けている会社もあるので確認してみることです。公的機関での無料相談窓口も設けられているので、専門家からのアドバイスを受けることも出来ます。まずは1人で悩まないことです。

(3) 環境を整える

 自分の気持ちの持ちようだけで、ストレスを解消することは、かなり難しいことです。もし、現在の環境がストレスの原因に深く関係するのであれば、環境そのものを変えることも検討しなければいけないでしょう。環境を整えることを決断するのは、なかなかエネルギーを要することかもしれませんが、心身の健康を守るためには、必要な場合もあります。自分を追い込むのではなく、必要なものの取捨選択、転職や転校、引っ越しといった自分にあう環境の整備が必要になります。

(4) 専門家に相談する

ストレスを一人で上手に解消できない場合、親しい人に話すなどしても解消できない場合など、ストレスの発散方法がわからなくなったときは、少しハードルが高いかもしれませんが、専門家に相談するのも一つの方法です。身体的あるいは精神的なつらさの原因が、ストレスが原因になっていることばかりではない可能性があります。早期の診断で、ストレスの原因を明らかにすることも重要です。

7. まとめ

 「ストレスは万病のもと」と言われます。現在は、子どもから大人まで、何らかのストレスにさらされています。免疫力を高めてストレスへの耐性を付けることが大切だとわかっているつもりですが、「免疫力を高めるためにどうするか」と考えることが、新たなストレスを生んでしまうことにもなりかねません。そのような繰り返しで一生ストレスから逃れることができないと考えると、これまたストレスが溜まる・・・おかしな話ですね。
私は、どうせ一生逃れることができないと開き直ると、どう向き合ったら「自分はストレスの渦にのみこまれないか?」と考えたことがあります。その中で、いろいろ考えまとめたことを今回書いてみました。1つでも参考になることがあれば、嬉しく思います。