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人間関係が苦手な人の原因と特徴、苦手意識をやわらげる方法をお伝えします。

人と関わることが得意な人もいれば、不得意な人もいます。私たちは、社会や組織の中で生きていくうえで、人との関わりを避けては通れません。その中でいろいろな問題に突き当たり、悩んだりします。アドラー心理学を確立した、アルフレッド・アドラーは「人間の悩みはすべて対人関係の悩みだ」と言っています。

今回は人間関係が苦手な方の原因や特徴を説明します。もし1つでも当てはまる方は人間関係を改善するために出来る事を是非実践していただければと思います。

1 人間関係ってどういうこと

1) 人間関係とは

人間関係とは感情的な対応も含めた、社会における人間と人間の関係のことです。それは、「ひとり対ひとり」のような個人的な場もあればグループや集団、組織や社会などの場もあります。私たちは社会生活を営む限り、周囲の人間との関係と自分の存在とを切り離すことが出来ません。人は生まれたときから、すでに親との人間関係を持ちます。その後、兄弟や姉妹、親戚、友人や知人、先輩や後輩、恋人や配偶者などの関係を通じて、様々な人間関係を営んでいきます。

2) 人間関係と似た言葉としての対人関係

人間関係とあまり違わない言い方として対人関係があります。対人関係とは、社会生活をして行く上での、個人と個人がどのように結びついているかという状態のことを言います。コミュニケーションの最小単位である「1対1」の関係を指します。自分を主体に捉えると、自分と他人との関係のことです。

3) 人間関係と対人関係の違い

「人間関係」は「集団や組織における人と人、特に集団を構成するメンバー間の心理的関係」のことです。集団の中にいる人間同士の関係なので、「自分」もその一部に組み込まれます。
「対人関係」は「社会生活における自分と他人との関係」です。つまり、「自分」と母親、「自分」と上司、といったように自分と相手の1対1のマンツーマンの関係です。

2 人間関係が苦手な原因

1) 人と一緒にいると疲れてしまう

常に周囲や相手のことに注意を向け続けていると、どうしても疲れてしまい、ストレスを多く感じてしまいます。その感覚は人間関係を難しく苦手にさせてしまう原因になります。相手や周囲を気遣うあまり自分の負担が大きくなってしまい、自分の意見よりも相手の意見を優先しがちになります。周囲からは「いい人」の印象が強いのですが、自分自身のモチベーションは下降線をたどる原因にもなります。

2) 自分に自信がない

自分に自信が持てない人は、他人に自分の意見を伝えられない、相手の意見が間違っていても言い返せない、意見が言えても何が返ってくるか心配になるなど、人間関係に悩むことが多いです。そのため、人との関係に大きな不安を抱き、自分をさらけ出すことが苦手なため相手との距離がなかなか埋まらず、仲を深めることを難しくしてしまいます。相手の顔色を気にし、無意識に他人と関わることを避けてしまうことに繋がります。

3) 恥ずかしがりやで繊細な性格

恥ずかしいがりやで繊細な方は、内気で人見知り、照れ屋で感受性が強いの方が多い傾向が見られます。人前で素の自分を表現することが苦手で、相手の顔を見て話すことが出来なく、うつむき加減で、話しの場に加わることが多くなります。「相手にどう思われるだろう」「私のことなんてどうでもいいんだろう」「目立たないようにしていよう」「何か聞いてきたらどうしよう」と起こるかどうかわからない未来のことに思いを馳せてしまい、心ここにあらずの状態になる場合があります。

4) 相手の気持ちを考えすぎてしまう

恥ずかしいがりやで繊細な方は、内気で人見知り、照れ屋で感受性が強いの方が多い傾向が見られます。人前で素の自分を表現することが苦手で、相手の顔を見て話すことが出来なく、うつむき加減で、話しの場に加わることが多くなります。「相手にどう思われるだろう」「私のことなんてどうでもいいんだろう」「目立たないようにしていよう」「何か聞いてきたらどうしよう」と起こるかどうかわからない未来のことに思いを馳せてしまい、心ここにあらずの状態になる場合があります。

5) 人の意見をネガティブにとらえてしまう

相手からの話題に対して「そんなの無理」「どうせ出来っこない」「めんどくさい」「疲れる」など、ネガティブに捉えてしまうことが多くなると、周囲から距離を置く原因になってしまいます。行動する前から、いつも悪い結果ばかりが頭の中に浮かび、努力したり、周囲と協力することが出来なくなり、常に一歩下がったところから、他者を見ることになります。それは、周囲から自分を遠ざけることになります。

6) 相手の言動に対して自分の嫌いな部分が目につきやすい

マイ(自分)ルールの中に「メールをもらったら、出来るだけ早く返事をする」があると、返信をしてこない相手に対してと批判的になりやすくなります。また、「相手が傷つくようなことは言わない」があると、他人に対し厳しい言動をする相手に対し苦手意識が強くなります。そして、人間関係全般に足して「めんどくさい」となり、人との関わりに苦手意識を強くします。

7) 過去に人付き合いで嫌な経験をした

過去に人との関係で嫌な思いをした経験から、人付き合いが苦手になってしまったというケースがあります。例えば、いじめられた経験がある。両親が厳しかったなどの経験があると、「ひとりでいる方が楽」と考えてしまい、他の人と関わることにためらいを感じ、人間関係が苦手になる場合があります。

8) 信頼していた人に裏切られたことがある

他人への警戒心や不信感が大きいほど人間関係を良く思えなくなります。過去に信頼していた人に裏切られたことなど、他人への信頼が揺らぐ経験がある人ほど、人間関係が苦手だと感じてしまいます。また、裏切られた経験は深い人間関係を築くことをためらわせる原因にもなり、関わることを避けるようになります。

9) 相手の目を見て話すことが苦手

コミュニケーションを円滑にする要因の一つに、会話中のアイコンタクトがあります。アイコンタクトとは、視線を合わせる事です。それは、相手と積極的に人間関係を築きたいという気持ちの現れと捉えられます。しかし、「自信がない」「恥ずかしがりや」「相手が目の前にいると緊張してしまう」などが原因で、相手の目を見て話すことに苦手意識が強くなると、人間関係も苦手になることがあります。

3 人間関係が苦手な人の特徴

1) 相手の言動を敏感に感じてしまう

多くの場合、人は自分が傷つくのを恐れ、自分を守るために無意識に人間関係を苦手とします。差し障りのない会話や一定期間の人付き合いを楽しむことができても、付き合いが長くなると相手の些細な言動を敏感に感じてしまうために、長期的な人間関係を築いていくことが難しく、孤立してしまう場合があります

2) 他人の評価を気にしすぎる

人間関係が苦手な人は、自分に自信がないことに加え、周りからどう思われているか、どう見られているかを気にし過ぎてしまうという特徴があります。周囲の評価を気にするあまり、人付き合いに苦手意識が強く、相手や周囲が気にかけないことでも、「怒らせてしまったんじゃないかな」「退屈させているのでは」などと不安になり、人の顔色をうかがってしまい、疲れてしまいます。

3) 他人のペースに巻き込まれやすい

巻き込まれやすい人は、「ノー」と言えない優しい人が多いと言えます。相手の気持ちを察する傾向が強い分だけ、自分を犠牲にしてしまいがちです。そして、自分の意思をはっきり言えないばかりに、いつの間にか相手のペースで話や物事が進んでしまい、時には面倒なことにも巻き込まれてしまうことにもなります。

4) 相手の心を読んでしまう

人の心を読んでしまう人に起こりがちなこととして、周りの人が何を考えているかを常に気にしてしまい、会話の後にどっと疲れてしまうことが挙げられます。人自体が嫌いなわけではなく、人とコミュニケーションを取る際のストレスに悩まされることも多いのです。相手を信頼できないため、相手の言動の裏に「なんかがあるのでは」と疑ってしまい、人間関係を苦手にしてしまうのです。

5) 思い込みが強く傷つくのがこわい

思い込みが強い人には、他人の何気ない言葉を悲観的に捉えてしまう傾向が強く見られます。そして、その言葉で自分が傷つかないように身を守ることを優先的に考えます。そのため、相手が真に伝えたい内容を正しく理解しようとはせずに、自分の思い込みで相手の意見を判断するようになり、人間関係をこじらせてしまうことが多く、苦手意識が強くなります。

6) 雑談が苦手

目的のない雑談やゴールのない会話が苦手な人は、他の人とのコミュニケーションの際に、緊張したり不安を抱きやすい傾向が見られます。相手の話しに対してどのように反応したらよいのか何を話せばよいのかを慎重に考えてしまい、すぐに言葉が出てこなくて会話が続かなかったり、会話中に沈黙してしまうことがあります。

7) ネガティブな話が多い

人間関係が苦手な人の特徴にネガティブループにはまってしまうことが挙げられます。人の話に対し、「どうせうまくいかない」「どうせ失敗するにきまってる」「だって○○がダメっていうから」「でも無理」などの否定的な発言が目立つようになります。楽しい会話の最中でも、否定的なイメージを膨らませ、自分にダメ出しをすることが多くなり、その場に居づらくなってしまいます。

8) 疑り深い

人間関係が苦手な人は、素直に人を信じることができず、疑り深い傾向にあります。相手の言動に「本当なのかな?」「調子いいことばかり言ってるんじゃないの?」と疑心暗鬼な思考が強くなり、素の自分をさらけ出せなくなり、相手との間に信頼関係を築くのが難しくなります。また、常に相手を疑ってばかりの自分自身に対しても嫌悪感を抱くようになります。

9) 相手に気を使いすぎる

人間関係は楽しいことばかりではありません。いつも自分と波長の合う相手とばかり関係を持つとは限りません。自分の苦手なタイプの人と向き合わなければならないこともあります。そのようなとき、相手や周囲に気を使いすぎてしまうとストレスが溜まり疲れてしまいます。ひとりでいる方が楽と感じてしまうことも多くあります。
 

4 苦手意識を改善する方法

1) 相手の良いところを見つける

他人に興味を持つと、その人と良好な関係を作りたいと思います。相手の良いところを見つけることで、コミュニケーションをとるきっかけにもなります。忖度抜きで相手のことを教えてもらう姿勢で相手との共通点を探すことを心がけることで、話題づくりができ会話が続くことになります。人は自分と似た人に親近感を持つものです。

2) 「私は大丈夫」と自分を受け入れる

「私は大丈夫」というのは、今ここにいる自分を認め、肯定的に受け止めるということです。他人の期待やイメージに添うようにしたり、世間一般の価値観に合わせようとしたりすることは自分の中で葛藤を生み、苦しくなる原因となります。複雑な人間関係においては、無理をしない、我慢をしない、心地の良さを大切にすることも大事です。

3) 自分と相手を比べない

他人と比べるのはよくないと分かっていても、いろいろな場面で、他の人と自分を比べてしまいます。それは、人間の進化の過程でわれわれの遺伝子に組み込まれた仕組みなのです。相手に対して「妬み」や「嫉妬」、「劣等感」を感じていることに気づいたら、「私は□□さんに○○を感じてる」を認め、「いい」とか「悪い」とか評価しないで、それ以上深堀することをやめましょう。

4) 短所を長所として捉える

会話の中で、自分の弱みや短所を素直に表現すると、相手にネガティブな印象をあたえてしまうことがあります。言った後に、「言わなきゃよかった」と後悔したり、「私ってダメだな」と自己嫌悪に陥ることもあります。そうならないために、弱みや短所を長所として捉えられるよう心掛けることが大事です。例えば「私はせっかちだ」を「私はものごとへの対応が早くい」と捉えることで、ポジティブになり、気分も前向きになります。

5) 相手の話をしっかり聞く

相手の話をしっかり聞く姿勢を持つことで、人間関係はだいぶ変わります。時間に追われ、相手の話をしっかりと聞けない状態が続くと、信頼関係ができにくくなり、円滑なコミュニケーションが取れなくなります。相手にマイナスの印象を与えてしまいます。相手の目を見て、感情的にならず、適当な返事をしないこと心がけを、相手の話をしっかり聞きましょう。

6) 基本的なやりとりをきちんとやる

人間関係が苦手な人は、「あいさつ」をすることから苦手意識を持ちやすいです。「あいさつ」は、人間関係を円滑にする潤滑油でもあり、基本的なやりとりです。「相手から嫌われているかもしれない」「無視されただどうしよう」と否定的に考えてしまう場合でも、あいさつをされて不快に思う人はいません。勇気をもって、自分から行ってみる勇気を持つことをお勧めします。

7) 自分に許可を与える

人間関係を改善しようと思うなら、まずは現在の事実を受け入れることから始めましょう。他人は自分とは違う価値観を持っていることを認めることが重要です。許可するとは許すことです。自分を許せない人は、他人がそれをやることも許せないことが多くあります。自分を許せることが増えれば増えるほど、他人を許せるようになるからです。

8) 辛い気持ちを聞いてもらう

自分のつらい気持ちを聞いてもらえる、信頼でき遠慮なく付き合える友人がいると気持ちはだいぶ楽になります。自分の弱みを見せることが出来るようになると、本当の自分を出すことに抵抗がなくなり、他人の弱みも受け容れやすくなります。悩みのある人間関係から距離を置いたり、愚痴や悩みを聞いてもらうことで気分がスッキリでた経験は、立場を変えもできるようになります。

5 改善するときに気を付けたいこと

1) がんばりすぎない

がんばりすぎてしまうと、「できないのは、自分が頑張っていないからだ」「他の人には任せられない」「責任感のある人物だと思われたい」「自分の能力不足を認めたくない」などと考える傾向が強くなります。仕事を処理しきれずにストレスを抱えこんでしまい、他者との人間関係まで注意を向けることが難しくなってしまいます。自分一人で何とかしようとはせず、気心の知れた人に応援を頼むことも、ときには必要です。

2) 自分を大切にする

相手ファーストの姿勢を優先してしまうと、その一方で自分の心の負担を大きくしてしまいます。「人を喜ばせなければいけない」「どうやったら機嫌がよくなるだろうか」と相手のことばかり考えてしまうと、「自分はどうしたいのか」「自分には何は必要なのか」という視点を持つことが出来なくなってしまいます。そのために、心の中で自分自身への怒りがわいてくることもあります。自分の心の声に耳を傾ける時間を持つことが大切です。

3) 適度な距離感を大切にする

誰しも気の合う好きな人とは一緒にいたし、気の合わない嫌いな人とは離れていたいものです。その感情は、相手にも当てはまります。まずは自分の理想とする距離感を取ってみることが大事です。そのうえで、「近い人は少し離れて」「遠い人は少し近づいて」を心掛けてみることです。相手との距離感は、少し遠い方に合わせる事を意識します。近づきすぎるとどちらかにストレスが貯まってしまうことにつながるからです。

4) 自分のペースを守る

人間関係にストレスを感じてしまったときは、自分のペースを守ることが大事です。例えば、飲み会や食事会に誘われたときなどでも、断る理由がないといって仕方なく承諾してしまうことは避けた方がいいです。「先約があるので」「片付けてしまわなければいけないことがあるので」「出かける気分になれないから」などと、具体的な理由を述べて断わる勇気が大事です。自分の本心を大切にして行動することです。そうすることで人間関係のストレスは減っていきます。

5) 自分軸で考えてみる

自分軸とは、「自分はどうしたいのか、どうありたいのかを」基準に行動することです。反対の他人軸は「自分の考えよりも他人の考えを優先して行動すること」です。他人軸で考えていると、自分の意見や本当にやりたいことを犠牲にするため、ストレスが溜まり、自分に自信が持てなくなり、他人の評価を必要以上に気にしてしまい、人間関係への苦手意識が大きくなります。自分軸で考えられるようになると、人に依存せず自立することが出来ます。

6 まとめ

以前の私は、人間関係にとても苦手意識が強かったです。会う前から「開口一番何を言われるのだろう」とか「私の提案を否定されたらどうしよう」と考えてしまい、他人に会うのが怖いという意識が強くはたらきました。実際に会って、話をして、相手の胸に飛び込んでみると、自分の想像とはまるで違うことも多かったですが。これは何とかしなければと思うようになってから、いろいろ取組んだことが「4の苦手意識を改善する方法」に書いたことです。人は自分が変わりたいと思うと変われるものです。素直に話ができる人に聴いてもらい、自分の言葉で表現する経験を重ねることはとても大事なことです。コーチングの素晴らしさの一つが、まさにこれです。