Content コンテンツ

自己肯定感の低い人の特徴と原因を解説。高めるために出来ることもお伝えします。

あなたは自己肯定感が高いですか?自己肯定感が高い方は、自分の意見をしっかり持ち、失敗を恐れずリーダーシップがとれます。そして、周りからの評価に振り回されることがなく、他人を尊重できます。そのため、組織の重要な要素として考えられています。

今回は自分に自己肯定感の低い方が、どのような特徴があるのかを説明します。もし1つでも当てはまる方は自己肯定感を高めるために出来る事を是非実践していただければと思います。

自己肯定感ってなに?

自己肯定感とは

  自己肯定感とは、「自分の存在そのものを認める」感覚のことです。ありのままの自分を受け入れ、肯定的、好意的に受け止めることで生まれる感覚です。自分に対して「私はこれでよい」と良いところも悪いところも含めた全てを認めることが自己肯定感です。「自分が自分についてどう感じているか」によって決定づけられると言われています。人間関係やパートナーシップ、仕事や自己実現などにおいての土台になり、ウェルビーイングに大きな影響を与える感覚でもあります。

自己肯定感と似ている自己効力感とは

 自己肯定感と似ている言葉に自己効力感があります。自己効力感とは、人が目標を達成したり結果を出すために必要な行動を自らが選択し、それを成し遂げるための能力を持っているかどうかを認識することです。「自分はこれを達成できる」「自分ならできる」という確信が持てれば「自己効力感が高い」状態といい、「自分には出来ない」「自分に無理」と考えれば「自己効力感が低い」状態ということになります。つまり、自己効力感とは、「目標を達成することができる能力を自分は持っている」と認識できることです。

自己肯定感と自己効力感の違い

 自己肯定感と自己効力感、両者には「出来ない自分をどうとらえるか」という点で大きな違いがあります。自己肯定感は、自分自身の存在を肯定し、認めることが出来る力です。出来るか出来ないかは関係ありません。出来ても出来なくても自分を受け入れることをいいます。これに対して、自己効力感は、自分の行動や成果に対して「自分ならできる」と考えられることです。つまり、自己効力感とは、自分自身を信じることが出来る状態のことだと言うことが出来ます。

自己肯定感が低い人の特徴 

何事も否定的でネガティブ思考

 自己肯定感の低い人は、何事も否定的に考えてしまうネガティブ思考(マイナス思考)になりやい傾向があります。多くのことを否定的に捉えてしまうため、自分に自信が持てなくなります。「どうせやっても無駄だ」「どうせ出来っこない」と挑戦する前から諦めてしまい、自己嫌悪感が強くなり、対人関係でも消極的な関わりをする傾向が多く見られます。これらの経験の積み重ねが自己肯定感を低くしていきます。

他人の意見に流されてしまう

 自己肯定感が低いと、自分を信じることができず、自分の意見にも自信が持てなくなります。「こんなこと言ったらなんて思われるだろう」と意見が言えなくなったり、相手の意見を優先しまったりします。「みんなやるから私もやろうかな」「友達に言われたからやってみた」と他人の意見に流されてしまい、本当の思いを口に出せないことで、自分に自信を無くし、ストレスを溜めてしまい、自己肯定感を低くしてしまいます。

他人と比較してしまう

 必要以上に他人と比較したり、劣等感が人一倍強い事も自己肯定感が低い人の特徴の一つです。過剰に周囲の人と自分を比べてしまうという傾向があり、どれだけ優秀な成績を上げても満足が出来なく、自分の劣っている部分を探してしまいます。自分を認めることが出来ないため「他人とくらべて優劣をつける」という評価しかできない状態になります。自分自身を客観的に認識することが出来ず、劣等感や嫌悪感で苦しむ原因にもなってしまいます。

自分だけでなく周囲の人に対しても厳しい

 自己肯定感の低い人は、自分だけでなく周囲の人に対しても厳しい評価をする傾向があります。ありのままの自分を素直に認めることが出来ないため、自分を認めるための条件を自らに課す癖があるからです。また、「~すべきだ」「~であるべきだ」といったこだわりが強く、条件を解決できなかった場合は自分を否定的に捉えるようになります。その傾向は、他人に対しても同じで、条件を満たしていない場合は相手を認めることが難しく、コミュニケーションがうまくいかないことや、ストレスを溜めることになります。

やらなければいけないことを先延ばしにしてしまう

 何かを片付けようとしたり挑戦したりする場合、「自分は何をやってもうまくいかない」「どうせやっても結果は変わらない」などの自己肯定感が低い場合は、先延ばしにしてしまう傾向が多く見られます。先述した通り、自己肯定感が低いネガティブ思考な人は消極的な行動をとりやすくなります。それは、これまでに経験し味わってきたストレスや環境の影響が大きく関係しているからです。

自己肯定感が低くなる原因

幼少期にトラウマとなるような扱いを受けた

 自己肯定感を下げる大きな要因に、幼少期の体験や経験が挙げられます。例えば子どものときにいじめにあった、大きな失敗をした、人前で恥ずかしい思いをした、厳しい親からいつも過干渉・過保護育てられた、優秀な姉妹兄弟と比較されながら育ってきたなど、トラ今となってしまうような経験です。過去の失敗や自尊心を傷つけられた経験が原因で、その後、自己肯定感を持てなくなるという人も少なくありません。また、つらい経験は、「また起きたらどうしよう」「自分は何もできない」というように常に不安や無力感と隣り合わせの状態とも言えます。

人格を否定されるような言動

 「頭が悪い」「性格が悪い」「育ちが悪い」などの、その人の性格や本質的な部分を否定する言葉は、人格否定の代表的なものと言えます。また、生まれ持った身体的な特徴を否定することも人格否定になります。人格を否定されるような言動を経験すると、「私ってダメだな」「私は性格悪いから、誰からも好かれない」「美人じゃないし」と、上手くいかない理由を他人の評価によって決めてしまうようになります。「今のままの私でいいんだ」と自分を認めることが出来なくなり、自己肯定感を下げてしまう大きな原因になります。

受験に落ちるなどの失敗経験

 「頑張ったのに受験に落ちてしまった」「面接で聞かれたことに頭が真っ白になって何も答えられなかった」「一生懸命頑張って作った資料なのに上司からダメ出しをもらった」などの失敗体験をすると、「自分はダメな人間だ」と批判的になり、自己肯定感を下げる原因になります。また、失敗した経験をいつまでも引きずってしまうと、「また失敗したらどうしよう」と結果が分からないのに不安ばかりが大きくなり、自分の可能性を信じることが出来ず、自己肯定感を低下させてしまいます。

やりたいことを諦めてしまった

 「やりたいこと」は「夢」と言い換えることが出来ます。「将来○○になる」「卒業したら□□の道に進む」「私はパティシエになる」などです。しかし、誰もが自分の夢を叶えることが出来るわけではなく、諦めざるを得ない場合もあります。ただ、、諦め方によっては、その後の自分自身を認めることが出来なくなることもあります。そして、「私って頭の中で考えるばかりで行動が伴わない」「夢なんで見るからダメなんだ」と否定的に捉えるようになり、自己肯定感を下げてしまうのです。

自己肯定感を高めるために出来る事

小さな成功体験

 小さな成功体験を積み重ねることで自分に自信をつけていくと、自己肯定感が高まりやすくなります。例えば「毎日10分ストレッチをする」「毎朝朝日を浴びる」「今までより5分早く起きる」などで、特別なことではなく日々できる小さなことで十分です。小さな成功体験つくりのポイントは、楽しいこと、毎日達成できるレベルの低い目標、一日の終わりに振り返りができる事です。何かを成し遂げた、続けられたという経験は自己肯定感を高めます。一つの成功を経験すると、「こんなことも出来るかもしれない」と新しい挑戦への意欲もわきやすくなります。

短所ではなく長所に目を向ける

 人は誰しも短所と長所を持っています。そして、長所よりも短所に目を向けすぎてしまう傾向があります。しかし、時には、自分では短所と思っていたことが、他人から褒められたり、感心されたりする場面があったりします。これは、見方を変えると長所になり得るということです。例えば「一度にたくさんの仕事を進めることが苦手」ということは「一つの仕事を丁寧に片付けることが得意」と言い換えられます。このように自分の短所を長所に置き換えると、自分に自信を持ちやすくなり、自己肯定感を上げることに繋がります。

興味があることにチャレンジしてみる

 「こんなことやったら何て言われるだろう」「いい年をして何をやってるの」「どうせダメかもしれない」など、周囲の目や結果ばかりに気を取られないで、「やりたい」と思ったら、まずはチャレンジしてみることです。挑戦する勇気をポジティブに捉えましょう。うまくいくかはわかりませんが、自分で決めて挑戦したことは、自分自身に対する大きな信頼と自信に繋がります。結果、うまくいかなくてもそれを受け止めて、そこからいろいろなことを学ぶことが出来ます。それは、次の挑戦への試金石となります。

今の自分を否定せずに受け入れる

 上手くいかないとき、「自分はみんなより劣っている」「自分は人より頭が悪い」などの否定的な感情に支配されてしまいます。そのようなときは「私は大丈夫」「今の私はこれでいい」と、自分を否定せず肯定的に受け止め、認めることが大事です。「自分に優しくなる」「自分を思いやる」と言い換えてもいいです。厳しい状況にあるとき、自分が今いるところを受け入れることで、人は前に進むことが出来ます。否定してしまうと前に進めなくなります。今の自分を受け入れることは、とても勇気のいる作業になるかもしれませんが、その経験を通して自信がつき、自己肯定感を育みます。

自分を褒めてあげる

 どんなに小さなことであっても自分を褒めてあげることは大切です。褒めることは、「これでいいんだ」と自分を認め、「自分は間違っていない」と肯定することです。自分の頑張りを一番知っているのは自分自身です。そんな自分を褒めてあげることを習慣にすると、自己肯定感が高まってきます。例えば、毎朝、鏡を見て「素敵」と声をかけるだけでも気分は変わります。また、一日の終わりに自分への褒め言葉をノートに書く、今日できたことに〇を上げる、寝る前に「今日も頑張ったね」「今日一日ありがとう」と自分に声をかける、などが挙げられます。

まとめ

 何をやっても自分のことが認められない、否定ばかりする、数年前の私がそうでした。自分の存在を肯定的に捉えることが出来なかった私が、「自分はこれでいい」「今の自分でいい」と、自分を認められるようになったのは、多くの方のご支援や応援があったからです。マンドフルネスを知り、コーチングを学び、話を聴いてもらう体験を重ね、今の自分が今までで一番「好き」で「幸せ」と思えるようになりました。私が自己肯定感を高め、今の自分を認めることが出来たように、現在悩まれている方の参考になることができれば嬉しいと思います。