目の前にやらなきゃいけない仕事があるのになかなかやる気が出なくてそのままにしてしまう、仕事のやる気がでないまま一日が終わってしまい「今日は何をしたんだろう」と悩んでしまうなど、仕事に対するやる気が出ないという経験は多くの方にあるのではないでしょうか。
仕事のやる気が出ないと仕事の効率が悪くなります。気持ちばかりが焦ってミスを重ねてしまったり、思ったような成果が出なかったりすると、自己肯定感が低くなってしまいやすく、意欲の低下につながることもあります。
職場の他の同僚と比較して、自分を責めてしまうかもしれません。また、やる気や自信にあふれている人を見ると、つらい気持ちになり、過剰に反応してしまうかもしれません。
今回は、仕事でやる気が出ない場合の理由や対処法、そのような状況になったときに出来ることについて解説します。1つでも参考になることがありましたら、活用にしていただけると嬉しく思います。
1. やる気って何?
(1)やる気の意味は?
やる気とは、自分から進んで物事を遂げようとする気持ちや欲求などを指す言葉です。一般的にやる気がある、やる気がないなどの言い方をします。人はやる気があると、目標や課題に対して積極的に取り組もうとします。つまり、目標達成や問題解決のために行動しようとします。自分のやる気に関する評価は、自身が行うというよりは、周囲の人間が行うことが多いため、自分ではやる気があると思っていても、周りからはそう評価されないこともあります。
(2)やる気が出る状態
やる気が出る状態とは、積極的に物事に取り組んだり、最後までやり通そうと思う気持ちがある状態をいいます。やる気がある状態では、「大変だけど頑張ってみる」という気力、つまり元気や精力が湧くので、多少の困難やハードルの高さは感じても、行動することができます。諦めずに向き合うことができます。
(3)やる気が出ない状態
やる気が出ないときは、いろいろなサインとして体に現れます。例えば、なんとなくだるい、疲れが取れない、食欲がない、などです。また、体だけではなくメンタル(心)面にも影響が出ることもあります。例えば、憂うつになる、何事にも興味が湧かない、仕事がつらいなどと感じやすくなります。気力が無い状態が続くと、眠れない、眠った気がしないなどの症状が出る場合もあります。
(4)やる気と同じような言葉「モチベーション」って何?
日本語でのモチベーションとは、「やる気」とか「やりがい」という意味でつかわれる場合が多いようですが、英語のモチベーション「motivation」には、(心理学でいう)動機づけ、(意欲を起こさせるような)刺激、(何かをするための)やる気、などいくつかの意味があります。モチベーションは、人が何かしらの目標に向けて動くための「原動力」となるものです。
モチベーションには、自分の意欲ややりがいなどの内面から生まれる「内発的モチベーション」と報酬や評価などの自分の外側にあるものから生まれる「外発的モチベーション」の2種類があります。
モチベーションには、自分の意欲ややりがいなどの内面から生まれる「内発的モチベーション」と報酬や評価などの自分の外側にあるものから生まれる「外発的モチベーション」の2種類があります。
(5)やる気とモチベーションの関係
やる気は、物事への意欲や気分、続けようとする気持ちを意味する言葉です。一方のモチベーションは、ある事柄に対する目的意識や動機付けを意味します。やる気は、行動を起こす前の段階で欲求を満たしたいと思う感覚、モチベーションは行動を起こしてから、継続的に欲求を満たそうとする気持ちと捉えるとわかりやすいでしょう。やる気を持ちながら、その延長線上にモチベーションが在るということです。
2. やる気が出ない理由
(1)職場環境に不満がある
職場の人間関係に課題がある、上司を尊敬する気持ちになれない、職場の中にやる気がない人がいるなどの職場環境はモチベーションを下げる要因になります。また、ストレスの多い環境での作業は効率が下がりやすく、気持ちが失せやすくなります。はじめは、何とか頑張ってやってみようとスタートしても、働く場の環境次第では気持ちが萎えることもあり、やる気が出なくなることもあります。
(2)充分な評価を得られない
社内における人事評価に納得できず、やる気をなくしてしまうことがあります。多くの場合、他人から評価されることで、仕事へのモチベーションが上がり、その結果、よい仕事ができ、よりやる気が上がります。しかし、期待したような評価が得られないと、ネガティブなことを考えたり、「自分はダメだな・・・」と自己批判をしてしまう場合がり、どんどん気持ちが落ち込んでいってしまう場合があります。
(3)心身が疲れている
心や体の疲れが溜まってくると、エネルギー不足に陥ります。エネルギーが足りない状態ではやる気を出すのはとても難しいことです。エネルギー不足は気持ちの焦りとともにモチベーションを低下させ、やる気を失う原因になります。また、過度のプレッシャーが長時間続くことで、心身が消耗し、突然無気力状態になるケースもあります。
(4)人間関係に悩みがある
人間関係に悩みがある場合も、やる気が出ない原因になります。例えば、関係性があまりよくない人が職場にいたり、職場の同僚と関係がよくなかったりすると、仕事がスムーズに進まなかったり、相手の言動にイライラしたりして、やる気が出なくなってしまいます。また、周囲に不健全な対応をする人がいる場合も、やる気を失う要因となりやすいです。
(5)プライベートで問題を抱えている
会社以外での悩みや問題を抱えていると、心ここにあらずの状態が続き、仕事に集中出来なることもあります。例えば、家族や恋人との関係とか家族の介護問題、病気などのこと、子供のことなどです。仕事中にそのことが気になり、意識が向いてしまうと、仕事に対するやる気が失せ、モチベーションが下がってしまうことがあります。
(6)会社に居場所がない
会社の中で孤立感を感じ、居場所がないと思うようになると、やる気もだんだんと低下しやすくなります。何のために会社に来ているのかと疑問を抱くようになるかもしれません。また、会社に来ることで何を手に入れたいのかを考えるようになるかもしれません。人生も目標なのか、ただ単に経済的理由なのかなどです。
(7)仕事にやりがいを感じない
今やっている仕事にやりがいを感じないとか、自分には向いていないと考えるようになると、仕事に対するやる気は低下しやすくなります。正当に評価されてない、キャリアアップが見込まない状況、会社の将来が不安定だったりすると仕事にやりがいを感じなくなります。また、仕事のミスや続いたり失敗に対して強く追及されたりすることなどすることで、モチベーションが下がりやる気を失ってしまうこともあります。
(8)仕事に対する目的や目標が曖昧
仕事に対する目的や目標が曖昧な場合、やる気がなかなか出なくなります。仕事のゴール(目的・目標)がはっきしないと、なぜ仕事をするかの動機づけが薄くなります。当然のように、ゴールに向かって進む「原動力」ともいえるモチベーションも持ちにくくなります。将来的な目的や目標設定が曖昧だと、いつの間にか指示されたことだけこなす単調な日々になってしまい、気力も低下しやすくなります。
(9)やることリストが整理できていない
やることがきちんと整理されないまま、毎日、仕事に追われ、同じようなことを繰り返しやり続けていると、新鮮さや刺激が少なくなり、やる気が出なくなってしまいます。やることリストがきちんと整理できていないと、仕事の可視化が難しく、何をどのようにやると、効率化や技術アップできるかがわかりづらく、労力の割りには成果が出来ないという負のスパイラルに陥りやすく、やる気が落ちていく原因にもなります。
(10)自分に自信がない
自分に自信が持てないと、何をやるにしても不安や恐れが付きまといます。自信暗鬼のまま頑張ってやってみて、上手くいけばいいのですが、そういうときばかりではありません。「やっぱりダメだった」「思っていた通りの結果だった」「「どうせ自分には無理だったんだ」なんと、ますます自信を無くしてしまい、やる気も削がれてしまう場合があります。
3. やる気が出ないときの対処法
(1)働く環境を変える
やる気を出すために、いろいろ工夫したり努力しても改善しない場合は、今の職場や職場の環境があっていない可能性もあります。そのような時は、思い切って異動や転職などの、働く環境を変えることを検討してみてみるのもよいかもしれません。但し、やみくもに環境を変えるだけでなく、仕事のやる気が出ない原因を明確にし、検討することが大事です。
(2)仕事とプライベートを切り離す
やる気が出ない理由の一つに、疲れが溜まっているというのがあります。仕事が忙しすぎて、プライベートにも仕事を持ち込むこともあるかもしれません。疲れには休息が一番大事なポイントです。仕事とプライベートを思い切って切り離し、オン・オフの切り替えをしてみることが大事です。オフの時間は、思い切って休んだり、リフレッシュするための時間と捉えることも、時には必要です。
(3)自分軸を持つ
自分軸とは、他人の意見を優先するのではなく、「自分はどうしたいのか」という自分の意志を大事にして行動することです。やる気が出ないときは、エネルギーが低下している場合が多いようです。そのような時は、無理に気持ちを上げることをしないで、自分にとって心地良いことをした方がよいです。今自分がどうしたいのかを自身に聴きながら、些細なことでも出来ることから始めてみましょう。
(4)上手くいかないことから学ぶ姿勢を持つ
思い通りに上手くいかないことを経験すると、やる気も出なくなってしまいます。失敗で傷つくくらいなら、何もしない方がマシだと考えるかもしれません。しかし、失敗は成功のもとと言われるように、失敗したからこそ次につながるアイディアも浮かんでくるかもしれません。上手くいかなかったことから何を学ぶかの姿勢を持つことで、やる気の改善も図れるかもしれません。
(5)周囲との関係を改善する
周囲との関係性を改善することで、やる気が出ない状態を脱出できるかもしれません。やる気が出ないことを思い切って他人に相談することも、自己開示の一つです。話せる範囲でよいので、行き詰まっている今の状態を、気心の知れた上司や同僚、周囲の人に話すことで、相手との関係性が改善し、やる気アップにつながる可能性が大きと言えます。
(6)自分で自分を褒める
頑張っている自分に対して、自分自身で褒めてあげることを大切にしましょう。他人は、そう簡単に褒めてはくれません。ましてや仕事などの現場では、周囲や上司から期待した評価が得られないことが多くあります。それが続くと、やる気はどんどん失せていくかもしれません。人の評価ばかり気にしてしまうと(外的モチベーション)自分を見失う可能性もあります。自分で自分を褒めることは、やる気のエネルギーの補充にもなります。
(7)憧れの先人に学ぶ
やる気が出ないのは、あなただけの問題とは限りません。あなたが憧れる先人にも、やる気が出ないときはあったかもしれません。そのような時、彼らはどのようにしてそこから脱却したのかと、考えてみることも、ときには必要です。先人の知恵を参考にしながら、自分ならどうだろうと自分なりの対処法をみつけてみるのもよいことです。
(8)他人の「良いとこ探し」をする
周囲との人間関係性などが理由となって仕事のやる気が出なくなったときは、他人の「良いとこ探し」をすることで苦手意識を克服したり、関係改善につながることがあります。人間関係の悩みは多くの人が抱えています。関係性の改善を図ることで、相手を見る目がかわります。仕事に対するモチベーションも変わり、それがやる気に大いに影響します。他人との向き合い方次第でやる気の改善が図れることもあります。
(9)気持ちの切り替え方法を持つ
気持ちの切り替えとは、嫌な気分を楽しい気分に切り替えることです。ストレスが溜まったり、失敗が続いたりすると嫌な気分になります。そのような時は、別の方向に意識を向けることで、嫌なことから目をそらすことができます。気持ちの切り替えが出来るようになると、心に余裕が持てるようになります。切り替え方法は、自分に合ったものをいくつか持っているとよいでしょう。
(10)時には想像力も大事
やる気が出ないときは、大きくマイナス思考に傾きやすくなります。うまくいかないことばかり考えるようになり、自分にダメ出しばかりするようになります。そのようなときは、ダメな自分ではなくて、イケテル自分を想像してみてください。想像することは自由です。なりたい自分になっている自分を想像することで、不思議とやる気が出てくることもあります。
4. やる気を出すために出来ること
(1)まずは休む
やる気が出ないときは、体の中のエネルギーが枯渇している状態とも言えます。先ずは充分休むことです。睡眠不足を感じたら十分な睡眠時間を取ることも大事です。必要な栄養素が足りていないのであれば、体が喜ぶ食事を時間をかけてゆっくり摂取することも必要です。体にエネルギーが補充できると、やる気は自然と出てくものです。
(2)やりたいことをやってみる
自分がやりたいと思うことがあればやってみることです。やりたいことにはやる気も出ますが、やりたくない仕事などにはやる気は出にくいものです。我慢して、やってやれないことはないのでしょうが、その我慢や無理する行為がストレスの大きな原因になります。お金にならなくても、大きな労力がかかっても、自分のやりたいことだったら、不思議とやる気が出るものです。
(3)体を動かしてみる
体を動かすとは、行動することです。考えているより行動することもやる気を出すために大事なことです。やる気が出ないときは、とかく体を動かさない傾向があります。ボーとしている、なんとなく時間だけが過ぎて、一日が終わっているような感覚がります。体を動かすことで、頭がスッキリしてきて、やる気のスイッチが入ることもあります。手っ取り早い方法の1つに「運動」するがあります。
(4)気分転換をする
人間の心と体は切っても切れないものです。どちらかに不調が起これば、やる気も出ません。そのようなときは、少しずつでよいので、リフレッシュする時間を作って気分転換をしてみましょう。気分転換することで、生活に張りが出て、心身の健康が回復しやすくなります。気分転換の方法は人それぞれです。自分に合った方法を見つけてストレスフルな状況を乗り切る工夫が大切です。
(5)言葉使いを変えてみる
後ろ向きな言葉を前向きなものに変えることで、やる気の回復につながります。やる気が出ない状態は、諦めの感情が強い状態と言えます。例えば「どうせダメだ」「うまくいかない」というように、初めから諦めてしまっているよう言葉を無意識に口にしていると、自己肯定感が低くなりやすく、やる気も出なくなります。これを「出来ることからやってみよう」「成長できる機会だ」と自分の出来ることに目を向ける言い方に換えることで、自己肯定感を高めていくことができます。
(6)今の気持ちを誰かに聞いてもらう
やる気が出ない、今の自分の気持ちを聞いてくれる他人が一人でもいると、気持ちが楽になり「心の安定」につながります。自分の気持ちや状態を素直にオープンに話せるような、信頼できる相手に今の気持ちを聞いてもらうと、気分がスッキリすることがあります。その際、やる気がなくて悩んでいるなど、感じていること、悩んでいることを、率直に伝えることが大事です。
(7)やる気の出ない自分を認める
やる気が出ない自分を認めてあげましょう。やる気が出なくて行動しないことに罪悪感を感じて、自分を責めてしまう場合もあります。やる気が出なくて動けないのは、「やりたくない」からかもしれません。やりたくないときは、それを認めて「何を」やりたいかを考えてみるのもよいかもしれません。「やりたい」ことが見つかれば、自然とやる気が出て、行動が起こるかもしれません。
(8)否定的な人とは距離を置く
否定的な他人とは、ネガティブな他人と言い換えることができます。ネガティブの反対語はポジティブですが、ポジティブ思考の人のそばにいると、自然と笑顔が増え気持ちが前向きになりやすいです。これを、感情は伝播すると言います。やる気が出ない、気分が落ち込んでいるときなどは、出来るだけ、ポジティブな人から伝わってくるよい波動を受けることも大切な場合があります。
(9)専門家の意見を聞く
やる気が出ないのは、ひょっとすると心の病気が関係しているかもしれません。やる気が出ない原因がはっきりすることで対処法も分かり、やる気を出す方法も見つかりやすくなります。例えば、やる気が出なくて朝起きることができない、やる気がでなくて食欲もない、反対に大食いをする、などなどで悩んでいる場合は、勇気が必要かもしれませんが、悩んでいるときは、専門家の意見を聞くのも大事です。
(10)こじらせない
やる気が出ないときは、やる気を出そう出そうと、じたばたしないことも一つです。何とかやる気を出そうと焦ってしまうと、返ってストレスを溜め込んでしまい、体調を崩したり、メンタル疾患に陥ったりします。やる気を出すことに精を出すことが逆にやる気を出なくしてしまう原因にもなりかねません。自分を信じて、回復力を信じて、今の状態を受け入れる姿勢も必要です。
5. まとめ
目の前の仕事や案件を、やらなければいけない、片付けなければいけないと焦ってはみても、なかなかやる気が出ないという経験、多くの方がされているのではないでしょうか?
私も体調が悪いときや悩みを抱えているときなどで、やる気が出ないことが時々があります。そのような時は、焦ってもしょうがないと、諦めることも大事だと、最近、やっと思えるようになりました。以前は、そのような自分を、「意気地がないな」「ダメなやつ」と自己否定オンパレードの状態でした。そのような私が、コーチングやEQ、数秘などを学ぶことで、自分と向き合い、自分の感情を知り、そのような自分をどのように表現するかを考え、現在に至っています。先ずは、やる気が出ない自分に気づいたら、自分はこの自分をどうしたいかを考えてください。そのような自分を責めないで下さい。そいて、今の自分を認めてあげてください。そこから、いろいろなことがスタートすると、私は信じています。
私も体調が悪いときや悩みを抱えているときなどで、やる気が出ないことが時々があります。そのような時は、焦ってもしょうがないと、諦めることも大事だと、最近、やっと思えるようになりました。以前は、そのような自分を、「意気地がないな」「ダメなやつ」と自己否定オンパレードの状態でした。そのような私が、コーチングやEQ、数秘などを学ぶことで、自分と向き合い、自分の感情を知り、そのような自分をどのように表現するかを考え、現在に至っています。先ずは、やる気が出ない自分に気づいたら、自分はこの自分をどうしたいかを考えてください。そのような自分を責めないで下さい。そいて、今の自分を認めてあげてください。そこから、いろいろなことがスタートすると、私は信じています。