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完璧主義の特徴とメリット・デメリット、治し方の解説をします!!

 自分の目標通りの形に仕上げるために、細部にわたりこだわりを持つことは、時には大切なことかもしれません。しかしそのために、周囲とギクシャクしたり、自分自身疲弊してしまったら元も子もなくなるのではないでしょうか。

  完璧主義の人は、まじめで責任感がり、最後まで続ける根気強さがあるなど、任せる側にとっては良い面がたくさんあります。一方、本人にとっては良いことばかりではなく、何事も全力でがんばりすぎてしまうため、疲れを溜め込んでしまったり、断り切れずにより多くの案件を引受けてしましまうこともあります。

 完璧主義のメリットを活かしながら、少しの行動変容で、気持ちが楽になることもあります。

 今回は、完璧主義の特徴やメリット・デメリット、治し方や手放し方を解説し、少しでも心と身体の負担を軽くする提案をします。

 一つでも参考になることがあれば、嬉しく思います。

1. 完璧主義とはなにか?

 完璧主義とは、さまざまな物事に対して質の高い目標を持ち、それを達成するために行動する姿勢を示す表現です。多くの人は、物事に対して自分なりにある程度完璧にこなしたいという欲求を持っていますが、完璧主義は、この欲求が強くなりすぎたり、欲求が持続するということです。うまく機能すれば、仕事や私生活で高いパフォーマンスを発揮できる場合もたくさんありますが、ちょっとした失敗でも自己否定につながるなど、多くの問題で壁にぶつかりやすくなります。

2. 完璧主義の人の特徴

(1)  責任感が強い

 完璧主義の人の多くは、約束は必ず守り、仕事には誠実に向合い、責任感が強く、妥協を許さないタイプだと言えます。強い責任感を持って物事を行うことは大切なことですが、「引受けたことは絶対失敗できない」という意識が強いと、自分自身を追い込んでしまうことにもつながり、疲れてしまいます。また、自分だけでなく周囲にも妥協を許さないようになると、不協和音を生むことにもなります。

(2)  理想が高い

 完璧主義は、求める目標が高い傾向にあります。最初から100点満点を目指そうとしたり、求められている水準以上の成果を出したいとの思いが強くあります。高い目標に向かって努力を惜しまない、真面目さと向上心は評価されるべきですが、それによる心身の疲労を考慮しない努力は、考えなければいけないことです。

(3)  こだわりが強い

 完璧主義では、高い理想を追い求めるあまり、強いこだわりを持っている場合があります。完成度にこだわるため、「満足できる仕上がりになるまで何度でもやり直す」とか、「資料を作る際には、見た目をよくするために行間をそろえる」など、些細なことへのこだわりが強く見られるケースもあります。

(4)  他者への要求も高い

 物事を完璧に仕上げようとするため、周囲が仕事を適当にしていると感じると、とても気になってしまいます。自分なら出来ることが、人がやってミスをすると苛立ち、ストレスを溜めてしまう原因もなります。仕事ができない人に対して攻撃的になる場合もあり、人間関係のトラブルにも繋がりやすくなります。

(5)  他人の評価が気になる

 完璧主義の人は、いろいろなことが気になりやすく、なかでも他人の評価には敏感に反応しやすいと言えます。高い目標を設定して、完璧を目指し努力するため、他人からは「自信がありそう」に見えるかもしれませんが、本人にはそうとも限らないこともあります。また、他人からの評価が気になってしまい、取り繕くことばかり意識して、自分を見失ってしまうこともあります。

(6)  失敗を恐れる

 「完璧主義だから失敗が怖い」のではなく、「失敗が怖いので完璧主義になる」ことも多くあります。誰でも失敗はしますし、失敗を怖がっていたら何もできません。失敗すると多くの人は落ち込みます。完璧主義の人は、失敗しないために入念な準備をするため、失敗でのショックが大きいと言えます。そのため、小さな失敗をすることを恐れてしまうこともあります。

(7)  柔軟な対応ができない

 完璧さを追い求めるあまり、柔軟な対応ができないという特徴が見られます。柔軟な対応とは、緊急の場面などで、その場に合った対応ができる(=臨機応変な対応ができる)ことなどです。柔軟な対応ができないと、「扱いづらい人」とか「頭の固い人」などと思われやすく、周囲との人間関係にも影響を与えやすくなります。

(8)  妥協できない

 完璧に物事を仕上げなければとの思いが強くなりすぎると、きちんと仕上がっているにもかかわらず、「書類にミスはなかったかな」「上手く行かなかったらどうしよう」「何か指摘されたらどうしよう」など、不安に陥りやすくなります。常に何かに不安を感じていて、きもちが休まらない人も多く見られます。

(9)  不安になりやすい

完璧に物事を仕上げなければとの思いが強くなりすぎると、きちんと仕上がっているにもかかわらず、「書類にミスはなかったかな」「上手く行かなかったらどうしよう」「何か指摘されたらどうしよう」など、不安に陥りやすくなります。常に何かに不安を感じていて、きもちが休まらない人も多く見られます。

3. 完璧主義のメリット

(1)  信頼度が高い

 完璧主義の人は、強い責任感を持って物事に取り組みます。そして、妥協せずに、丁寧に最後までやり抜く傾向があります。そのような姿勢を見た周囲からは、高い信頼感が寄せられるはずです。完璧主義の人がリーダーに選ばれやすいのは、こうした周囲からの信頼度が高いからだと言えます。

(2)  自己管理ができている

計画的に物事を仕上げていくことに優れているため、自己管理ができているという長所があります。やるべき仕事や任務等を整理し、計画へと落とし込むことや目標達成への進捗等の管理が得意です。自己管理できる人は、仕事に対して自分への甘えを許さない姿勢が保てるので、長期的な問題解決や粘り強さを発揮することができます。

(3)  努力を惜しまない

  完璧主義の人は、地道な努力を嫌がらないというメリットがあります。自分で立てた計画や目標達成のために、日ごろから努力したり技術を磨くことを惜しまないタイプです。地道な努力を続けることは、誰にでも出来ることではありません。そのような姿を見ている周囲からは、信頼されたり尊敬されることも多くあります。

(4)  最後までやり遂げる

 完璧を目指す人は、責任感がつよいため、一度始めたことは最後までやり遂げる姿勢を貫きます。途中で投げ出すことが少く、自分の納得いくまで、最後までやり遂げることができるのです。自分の納得いくまでやり遂げることで、達成感や成功体験を積み重ねられるため、自信や強い意志を身につける機会も多くなりやすいのです。

(5)  質の高い成果を出す

 完璧主義は、細部にまでこだわった、自分の中の最大限の結果を追求しようとします。結果として、出来上がったものは質が高いものとなり、他のものとの差も出ることが多くあります。理想が高く、向上心にあふれ、最後まで手を抜かない姿勢を貫く完璧主義だからこそ出来ることです。

(6)  仕事が丁寧

 完璧主義のメリットのひとつは、仕事が丁寧であることです。物事を完璧にこなそうとすることは、細かな作業でも、めんどくさがらずに丁寧に行わなければいけなくなることも多くあります。仕事で手を抜くことが少なく、細部にまで気を配り、一つひとつの作業に妥協を許さず、完成させたものは、質の高さと自信につながるのです。

(7)  目標達成への意欲が高い

 完璧主義の人は、目標達成に対する意欲が高い傾向にあるため、自分自身の目標や与えられた目標を達成しようとするモチベーションも高いと言えます。目標達成には高いモチベーションが必要になるため、組織の中に完璧主義の人がいると、モチベーション維持や士気の向上に周囲への影響力を発揮します。

(8)  仕事の完成度が高い

 完璧に物事をなり遂げようとする意志が強いので、努力を重ね向上心にあふれています。また、効率的かつ効果的な行動を心掛け、質の高い成果を出すことをいといません。仕事の感性度を高くすることで、自分の完璧さへの自信にもつながり、自分への安心感や出来ばえに対するこだわりも一層強くなります。

4. 完璧主義のデメリット

(1)  他人にも完璧を求めてしまう

 完璧主義の人の中には、自分に厳しい人が多く見られます。自分自身の理想や目標を他人にも求めてしまい、無意識のうちに他人にも完璧を求めてしまい、コミュニケーショントラブルの原因になることもあります。また、他人もミスが気になり、それが自分のストレス
の原因になる場合もあります。

(2)  理想通りに進まないと逃げ出すことがある

 意外なことかもしれませんが、逃げ癖がある人の多くが、完璧主義だったり自己評価
が厳しいという側面を持っています。完璧主義の人の多くは、自分に対して厳しさを課し、
高い目標を掲げ過ぎて、かえってプレッシャーを感じてしまう傾向があります。そのため、
逃げてはいけないという葛藤に耐えきれずに、逃げ出す(ことがあるのです。

(3)  ミスを許せない

 一度の失敗でも許せないのが完璧主義の人の特徴の一つです。そのため、万全を期して準備に余念がなく、下準備をします。必要以上に失敗を恐れる傾向が強いといえます。しか7し、一度ミスが発生すると、そこから受ける精神的ダメージは大きく、激しく落ち込んでしまいます。ミスを許せない、失敗を受け入れたくないという思いが強くあります。

(4)  頼ることが苦手

 完璧主義の人は、すべてを自分でやり遂げようとする傾向が強いので、他人に頼ること
が苦手です。他人の協力を得て完成させることは完璧でないという考えから、1人での作
業をお好みこだわるのです。そのような姿勢は、場合によっては逆効果になってしまい、 効率が悪くなってしまうこともあり、人間関係で悩みを抱える傾向もあるのです。

(5)  0か1でしか捉えられない

  完璧主義では、「成功か失敗」「1か0」の二分法的に物事を捉えることが多くなります。また、「任せるか自分でやるか」の二分法もそれにあたります。自分で行ったことに対しても、完全な状態かそうでないかと評価し、完全ならば成功、そうでなければ失敗と考える傾向があります。そのため、8割9割出来ている場合でも、本人の中では「出来ていない、ダメだ」になってしまいがちになります。

(6)  頑張りすぎてしまう

 完璧主義を目指す人は、途中で中途半端にすることが嫌な頑張り屋さんが多いと言え
ます。物事を中途半端にしておくことに納得できないため、自分の時間を犠牲にしてでも
仕上げたいと考えがちです。また、常に100%の完成度を目指しているため、80%や90%
の完成度では妥協ができなく、無理してでも100%に近づけようと頑張りすぎてしまう傾向
が強く見られます。

(7)  ストレスを溜めやすい

 完璧主義の人は責任感が強く、物事を自分の力でやり遂げようとする思いが強くありま
す。そのため、周囲の人に頼ることが苦手で、一人何とかしようとしてストレスを溜め込んでしまうことが多くあります。抱えている仕事量も多く、ストレスを引きずりやすくなってしまいます。また、些細なことでもストレスを感じていると、完璧主義を悪化させてしまうことにもなります。

(8)  過去の失敗にこだわる

 完璧を目指す人の中には、過去の失敗にこだわってしまい、それを引きずりやすい人が多く見られます。失敗しても、そこでの反省や経験を次に活かすことで成長につなげられますが、失敗した経験がトラウマになってしまうと、新しいチャレンジに踏み出すことを躊躇ってしまいます。結果的に、成長の機会を失ってしまう可能性もあります。

(9)  物事を先延ばしにしやすい

  完璧主義の人は、自分に厳しく高い目標を持ち、事前の準備もしっかり行ったうえで計画を立て、行動に移す傾向が強くあります。準備に要する時間は、手間暇かけ入念に行いま
す。失敗の危険をはらむことは避けたい、完璧を目指すので、なかなか行動に移しにくい、
先延ばしにしやすいという特徴も見られます。

5.完璧主義になりやすい原因

(1)  生育環境

 生まれ育った環境は、性格に大きな影響を与えます。例えば、頑張って努力したことを評価してもらえないで、結果だけで評価されるような家庭環境で育った子どもは、少しのミスでも過敏に反応してしまうといった完璧主義になりやすい可能性があります。特に子どものころは、出来なかったことに注目され励まされると、その期待に応えようとするため、常にプレッシャーを感じるようになるのです。また、「結果が伴わないと自分を認められない」、「完璧を目指して無理して頑張ってしまう」などの性格になる可能性もあります。

(2)  性格的なもの

 完璧主義になりやすい原因の一つに、自尊心や理想が高いという、生まれ持った性格的な要素があります。周りから認められたい(承認欲求)と強く思うことや、「自分は失敗するはずがない」「自分はできる人間だ」というような自尊心やプライドの高さが関係してきます。「ミスをする自分は許せない」というような心情も、より完璧を目指すきっかけにもなります。また、自己肯定感が低く、自信が持てないために、過度にミスや失敗を恐れ、完璧主義を目指してしまうことになる場合もあります。

(3)  失敗などの過去の経験

 過去に失敗して他人に笑われたり、馬鹿にされたといった経験から、完璧主義になってしまう場合もあります。そのような経験から、人前で二度と失敗したくない、辛い思いをしたくないとの思いが強くなり、自分を追い込んで、完璧主義になる可能性が出てきます。失敗したとき、笑われたりからかわれたりすると誰でもストレスを感じます。そのような状況を避けるために、ミスを恐れ、他人からどう見られているかを必要以上に気にするようになるのです。

6.完璧主義の治し方

(1)  物事の優先順位をつける

 優先順位とは、まさに物事を進める順番のことです。完璧を求めすぎてしまうと、完成
度にこだわりすぎて妥協点を見つけづらくなり、疲弊してしまうことがあります。最終的な
ゴールに向けて、やるべきことを書き出し、必要なことや先にやった方がよいこと、すぐに
出来ることなどに分けて、優先順位をつけるのが大切です。優先順位の高いものから取り
掛かると、成果を感じやすく、自信にもつながりやすくなります。

(2)  自己評価の基準を変える

 常に100%の完璧を目指すのではなく、60%や70%出来たら合格というような自分なりの評価基準を変えると、気持ちが楽になります。100%を目指して努力することは大切なことですが、「物事には絶対はない」「人はミスをするもの」という前提で、自分のミスの許容範囲を決めておくと、常に100%でなければならないという思考から抜け出やすくなります。

(3)  合格点を設ける

 完璧主義から抜け出す方法として、合格点を設けることが挙げられます。完璧主義の場合、「一つのミスも許さない」という態度で物事に向き合ってしまう傾向が強くあります。人は誰でもミスを犯すものです。理想どおり完全に出来ることはほぼあり得ないと言っても過言ではありません。「ここまで出来ればOK」という合格点を設けておくことで、完璧を求めてしまう癖はなくしていけます。

(4)  自分を肯定的に評価する

 「肯定的」とはその通りであると認めることです。自分を肯定的に評価するとは、「これが、今の自分だ」と認めることです。間違えたり失敗しても、挑戦した自分を褒めることも、自分を肯定的に評価することの1つです。どんな些細なことでも肯定的に評価することで、物事を前向きにポジティブに捉えられるようになり、完璧主義から抜け出せるようになります。

(5)  自分を責めない

 自分の目指す通りに行かなくても、自分を責めるのではなく、「こういうこと(とき)もある」「次もある」「また頑張ればいい」などと気持ちを切り替えることが大切です。頑張った自分を、まずは認めることから始めましょう。自分の努力を認めることで、上手く行かなかったことを冷静に見つめることができるようになると、次またやってみようとする力が湧いてきます。

(6)  他人に任せる

 自分で最後までやり遂げ、完璧に仕上げることを目指すことを好む完璧主義では、すべ
てを自分で抱えてしまい、他人に任せることが苦手です。しかし、時間的制限や効率性を
考えたとき、本当に自分がやらなければいけないことは、その中の一部分だけかもしれま
せん。多くの部分は他人に任せられる場合が多くあります。無理して全部を自分でやろう
とせず、他人に任せてみる勇気を持つことも大切です。

(7)  自己肯定感を上げる

 自己肯定感を上げることも、完璧主義を治す方法の一つです。自己肯定感はありのまま
の自分を認め受け入れることです。自己肯定感を上げるには、積極的に自分の良いところに目を向けることが大切です。そして、自分がやりたいことを積極的にやった方がよいです。自己肯定感が上がれば、前向きな気持ちになれるため、少しずつでも完璧主義から離れることができます。

(8)  環境を変える

 いつも同じ環境で過ごしていると、自分の常識の範囲からしか物事を捉えられなくなります。思い切って、今と違う環境での生活に切り替えることで、これまでの常識が通用しなくなる場合もあります。例えば、都会暮らしから田舎暮らしに切り替えるとか、その逆もありです。仕事や住居を変える、そこまでの変化が難しいようであれば、部屋の模様替えや断捨離をしてみることなどもおすすめです。

(9)  時間制限を設ける

 いついつまでに終わらせる、完成させるという時間制限を設け、時間内で終わらせることを意識することも、完璧主義を治すには効果的です。完璧主義では、細部にわたりこだわりが強く、完璧に仕上げようとするため、時間に対する意識が低い場合が多く見られます。「限られた時間内で仕上げられる程度のものにする」といった意識をもうことで、際限なく理想を追い求めることやプロセスにこだわりすぎることも減ります。

(10) 心の余裕を持つ

  完璧主義をやめるには、心に余裕を持つことです。「必要以上にすべて完璧にしようと
思わない」「細かいことはあまり気にしない」などは、心に余裕を持つためのポイントです。100%の完璧を目指さないことや細かいことを必要以上に気にしなくなることで、周囲に対しても寛容に接することができるようになります。イライラが減り、心に余裕が生まれ、その結果、人間関係の改善やストレスの軽減につながりやすくなります。

7.まとめ

 今回は、「完璧主義の治し方」とういうテーマで書いてみました。
完璧主義は、決して悪いことではありません。メリットもたくさんあります。しかし、何事も度が過ぎると、メリットよりデメリットの方が目立ってしまします。そして、自分自身を苦しめる大きな要因にもなりかねません。
 私自身、どちらかというと完璧主義の方だと思います。依頼されたものや自身の抱える案件は、できるだけ期待通りの、そして自分が納得できるものになるよう頑張ってやろうとします。しかし、どんなに頑張ってみても限界はあります。適度な手抜きも、時には大事なことです。
そのような、完璧主義を目指しやすい私が、日ごろやっている思考の切り替えを治し方という項目で書いてみました。
 完璧主義を目指しすぎて、心が疲弊する前に、そんな自分に気が付いたとき、何らかの参考になれば嬉しいと思います。