仕事に対し、「自分には合わない」「自分はこの仕事に向いてない」と思いながら仕事を続けている人もいるのではないでしょうか。そのように思いながら仕事を続けていると、自身の持っている能力が発揮できないかもしれません。しかし、かといってすぐにやめてしまう訳にもいかない場合が多くあります。
そこで今回は、職場が合わないと感じる理由、続けるまたは辞める場合の判断基準、仕事が合わないと感じたときに出来ることなどについて解説します。
ひとつでも参考になることがあれば嬉しく思います。
1. 職場が合わないと感じる理由
(1) 仕事の内容に興味がわかない
仕事が合わないと感じる理由に、仕事の内容に興味がわかないことが挙げられます。興味がわかない仕事を毎日続けることでストレスがたまったり、モチベーションが上がらないことで周りから仕事に意欲がないと思われたりすることもあります。興味がわかない仕事を続けることで、心身への影響が出てくる可能性もあります。
(2) 能力が正当に評価されていない
正当な評価を得られない場合、仕事が合わないと感じるかもしれません。仕事のモチベーションの1つに会社やお客様からの評価もあります。曖昧な評価が続くと「この仕事は合わない」と感じることは自然の感覚です。成果は出ているのに評価されず、形だけの面談が行わるなどの状況では張り合いがありません。頑張っている人ほど虚しさを感じてしまうかもしれません。
(3) キャリア形成の未来が見えない
将来が見えないという感覚は、将来に対して悲観的なイメージを持っていることを指します。仕事を通じて、取得したいスキルを身に付けたいと思って入社したにもかかわらず、目標につながらない業務についた場合など、「この仕事は合わない」「この会社では自分の将来が見えない」と思ってしまうかもしれません。
(4) 自分のこれからにプラスの要素がない
この先の自分にプラスの要素がないと、今の仕事が合ってない、会社が合ってないと感じるかもしれません。自分が望むスキルアップができない状態が続くと、モチベーションの低下にもつながりかねません。スキルが身につかないまま時間だけが過ぎて行ってしまうことへの不安と焦りが大きくなると、心身への影響も懸念されます。
(5) 給料と実績にギャップを感じる
仕事内容は特に問題なく実績もあげているのに、給料が思いのほか安く納得できないことも、仕事が合わないと感じる理由の一つです。給料は働くモチベーションに大きなウエイトを占めるからです。同業他社の人が、自分よりも良い給料をもらっている場合、「同じような仕事をしているのになぜ?」と疑問がうまれてくることもあります。
(6) 職場の人間関係がうまくいかない
仕事をしていく上での人間関係は、とても重要な要素です。なぜなら、全くコミュニケーションを取らずに仕事を進めることは出来ないからです。苦手な人は誰しもいるものですが、精神的なダメージを受けるような職場環境では、居心地が悪くて辛いのではないでしょうか。「この会社は自分に合わないから辞めたい」と感じてしまう場合も往々にしてあり得ます。
(7) 会社の理念と自分の価値観が合わない
会社の理念と自分の価値観が合わない場合も、仕事や職場環境が合わないと感じる理由となります。ほとんどの会社や組織には理念や方針が掲げられており、会社に雇用されるということは、その理念や方針に従って働くことになります。会社の理念や方針は社長や社員全体の価値観から構成されているので、自分の価値観が合わない状態で働くのは辛く、ストレスを溜めやすくなります。
(8) ミスが多い
仕事でミスが続くと、仕事が合ってないと考えるようになります。自分に合っていない業務を続けるとストレスが溜まり、集中力の低下からミスが多くなります。ミスが増える事で、さらに自分には合ってないと感じる悪循環にもなりやすくなります。また、ストレスを我慢し続けると体調不良につながる可能性も大きくなります。
(9) 自分に自信がない
自分に自信がないと、仕事に対しても不安を感じやすくなります。自分の行動や言動が周囲に迷惑をかけてしまうのではないかと、常に不安を感じていると、仕事や職場が合ってないと考えるようになるかもしれません。あるいは、合わない仕事を続けていることで、自分に自信がなくなり、自己肯定感も低くなり、仕事に対するモチベーションが湧かなくなることも考えられます。
(10) やりがいを感じない
仕事にやりがいを感じないと、仕事に集中できなくなり、モチベーションを保つことが難しくなり、仕事が合わないという考えに至るケースがあります。仕事に対して面白さや楽しさを見つけることができなければ、今の状態に不満を持ちつつ、惰性で作業をこなすような働き方になってしまうかもしれません。
2. 合わない職場で働き続けることのリスク
(1) 心身の健康を害する
合わない職場で働き続けると、過度なストレスがかかり、心身の健康を害する可能性があります。職場が合わないと感じながら仕事を続けていると、会社や仕事への不満がたまり、精神的に追い詰められて心身の健康を害する恐れもあります。心身に大きな負荷がかかる状態が続くと、夜眠れなかったり、気持ちが落ち込んだりしやすくなります。
(2) モチベーションやパフォーマンスが下がる
職場が合わないと感じたまま働き続けると、情熱ややりがいを感じなくなることがあります。そして、仕事への取り組み方も消極的になり、周囲からの評価も下がるという悪循環に陥る可能性があります。また、モチベーションの低下が成長を停滞させる恐れもあり、新たなスキルや経験を作る機会を制限してしまうかもしれません。
(3) 自己肯定感が低くなる
自己肯定感とは「ありのままの自分を認めること」です。合わない職場で仕事を続けることで、業務上のミスをしたり、人間関係が上手くいかなかったりすると、自信や自己肯定感が下がってしまいます。自己肯定感が下がると、自分を否定的に捉えるようになり、行動することが怖くなります。自己肯定感の低下は、仕事に影響するだけではなく、家族や友人などの周囲に対してもネガティブな言動が目立つようになり、新しい挑戦もできなくなります。
(4) 仕事以外のプライベートへの影響
合わない職場で我慢しながら仕事を続けているとストレスが溜まり、プライベートにも影響を及ぼしかねません。プライベートの時間は仕事のストレスやイライラをフレッシュする良い時間です。自分の好きなことをしたり、友人と出かけたり、運動したりすることで、気分転換が図れるからです。プライベートの時間を楽しめないと、常に頭から仕事のことが離れなかったり、休日明けの出勤が憂うつになってしまうこともあります。
3. 職場を辞める場合の判断基準
(1) 心身の不健康
強いストレスや疲労から体調に悪影響を及ぼすことがあります。合わない仕事や職場環境によっては、朝、布団から起き上がれない、会社に行く途中で体調が悪くなるなど心身に影響が出る場合もあります。まずは仕事から一時的に距離を置き、体調を整えてから次のステップを検討する、あるいは、友人や周囲などから客観的な意見を聞くなどして、身の振り方を検討するなどでもよいでしょう。また、勤務先の産業医や専門の医療機関などに、メンタルヘルスについて相談するのも有効です。
(2) 今の職場では自分の夢が実現できない
自分のやりたいことが決まっていて、今の職場ではそれができなさそうな場合も、仕事を辞める判断基準になります。自分の夢を実現するために仕事をしている場合、いつまでも実現しない環境に身を置くことは、大きなストレスになります。そのような場合は、環境を変えて、自分の夢の実現に向けた職場や仕事を見つけたほうが、モチベーションの維持には期待できます。
(3) 会社の将来が不安定
「会社の業績がよくない」「人材の確保ができないでいる」「従業員の定着率がよくない」「退職者が多い」など、会社の将来に不安を抱く場合もあります。明らかに不安定な経営状況である場合は、自分に影響が及ぶ可能性もあります。社員の目線で危ないと感じる場合は、転職等考えた方がよいかもしれません。状況を見極め、適切な判断をすることが大切です。
(4) 会社や職場環境が改善される見込みがない
社風は会社や企業がその歴史の中で形成してきた文化や価値観、雰囲気やスタイルのことです。会社の社風との相性も、仕事や職場環境が合わないと感じる理由になります。人がある程度集まれば、独自の雰囲気やスタイル、空気感が生まれるのは致し方ないかもしれませんが、参加する人にはそれぞれの価値観があります。それらの意見などを取り込めない状況下で働き続けることは、ストレスが溜まりやすくなります。
(5) 転職に伴うリスクを受け入れられる
職場が合わないといって、すぐに転職できる人ばかりではありません。転職にはリスクが伴います。例えば、年収や待遇が悪くなる、転職しても思うような働き方ができない、または、転職することでこれまでのキャリアに悪影響が出る、などです。このようなリスクを把握して対策を取ったり、失敗しないためのポイントや注意点を把握することは可能です。それらを考慮したうえで、リスクを受け入れられるようであるならば、別の職場で再スタートを切ることができるのではないでしょうか。
4. 仕事を続ける場合の判断基準
(1) 仕事内容に少しでも興味がある
仕事・職場が合わない、面白くないと感じたとしても、部分的には興味がある、好きな部分がある場合は、続けていくことで仕事に対する感じ方に変化が生じることがあります。少しでも興味が持てる場合は、すぐに辞めてしまうのではなく、自分の気になる分野や得意な分野に尽力してみてからでも遅くはありません。
(2) 自分の変化で状況が変わる可能性がある
自分の変化で周りの状況を変えることができるかもしれません。私たちは、他人を変えようとしても変えることは出来ません。しかし、自分を変えることは出来ます。自分が選んだ在り方は、他人に影響します。ダメな職場、合わない職場だと思って、その職場の中にいると、どんどん気力をなくしていきやすいでしょう。しかし、何とかなるとの思いで周囲を信頼することで、力が湧いてくることもあります。一人でも信頼できる人がいて、仲間がいるのなら、自分の変化で状況が変わる可能性があります。
(3) 労働環境に大きな問題がない
(4) 改善の余地がある
自分の行動によって、合わない職場に改善の余地があるかもしれません。変わらないと思っていたことを克服できるかもしれません。そう思うことが一つでもあれば、続けることが出来るかもしれません。例えば、仕事内容に対して不満がある場合は、積極的に改善案を出してみるとか、職場のなかで報連相が上手く行かなくてトラブルが発生した時などは、率先して声がけなどをしてみることも必要です。黙ったままでは変化を起こすことは出来ません。行動を変えることが重要です。
(5) 業界・会社の将来性が見込める
将来性を感じるかどうかも、会社に勤め続ける際の指標になります。やはり、先がないと感じるような会社では、モチベーションの維持が難しいからです。会社の経営状況は突然変わるかもしれませんが、市況などを踏まえて自分が勤める会社の将来を予想することも、ときには必要です。今の職場は、自分のスキルアップに役立つのかなどの、自分にとっての将来性のある職場や仕事の定義をもう一度見直すことも重要です。
5. 「職場が合わない」と感じたときに出来ること
(1) 合わないと思う理由を書きだす
職場が合わないと感じたとき、頭の中でグルグル回っている思考を一旦アウトプットすることをお勧めします。何が合わないのか、自分なりの合わないと思う理由を書き出してみるのです。理由はひとつとは限りません。書き出したら、それを読んでみてください。主観的に考えていたことを客観的に捉えることで、自分の中で何かが起こるかもしれません。書き出すことで新たな思考が動きだす可能があります。
(2) ゆっくり考える時間を作る
「職場が合わない」と考え始めると、このモヤモヤした状態から早く抜け出したいとの思いが働き、「辞める」という選択を選びやすくなるかもしれません。まずは、今の状態をゆっくり考える時間を作りましょう。そして、「職場が合わない」と考えている自分を認めてあげましょう。良い悪いではなく、自分自身を大切にして、辞めるメリット・デメリット、続けるメリット・デメリットをゆっくり考えてみて下さい。最終的な決断をするのは自分自身です。
(3) 自分を第一に考える
仕事が合わないと考えてしまうのは、決して甘えではありません。合わないと感じている仕事を続けていくことにはリスクが伴います。合わない仕事を続けることは、ストレスの原因になります。また、モチベーションも下がりやすくなります。まず、自分の心の健康を第一に考えることが大切です。それから「仕事が合わない」原因を見つけることです。その際も、自分自身の基準をもって見極めることが大事です。
(4) 自分の強みや価値観を見直す
自分自身の強みや価値観を見直してみることは、仕事が合わないと感じたときや次のステップを考える参考になります。自分の強みや価値観を言語化することで、自分でも気づかなかったことが、見えてくることもあります。これまでの成果、上司や同僚などから褒められたことなどを書き出しても良いでしょう。そこから見えてくる強みや価値観もあるはずです。
(5) 感情優先にならない
職場が合わないと感じたとき、感情優先に物事の判断をしないことが大切です。仕事に対する負の感情には、心配・不安・怒り・嫌悪・無意味などがあります。これらが複合的に作用して不満を感じるようになり、職場が合わないとなりやすいでしょう。職場に対する不満の要因がなんであるかが自覚できて、どう対処すればよいのかがわかれば次の行動が見えてきやすいでしょう。ただ感情にまかせて、辞めるなどの対応をしても、根本的な解決にならない場合も多くあります。
(6) 今の状況で「自分にできること」を考える
今の職場が合わないと思っても、「自分にできること」を考えることは大切です。やり残しをしたまま「辞める」ことを選択してしまうと、「職場が合わない」=「辞める」という選択を繰り返す可能性もあります。誰もが合う職場に出会えるとは限りません。もし、今の職場が合っていると思える瞬間があったのなら、少し時間をかけて、何が合わないのか、職場が合わないと感じながら、自分が工夫したことはなかったかなどを、もう一度書き出してみてはどうでしょうか。
(7) 資格を取る
今の職場で、資格を取得することで出来る業務が増えるのであれば、資格を取ることも大事です。会社・企業によっては、資格手当が付く場合もありますし、資格取得を応援する制度もあります。資格は業務に関連するものばかりとは限りません。実務的な資格もたくさんあります。英語などは、業種を選ばす重宝されそうな資格です。専門知識があれば自分に今の仕事が合っていないと感じた時にも、選択肢が広がるため資格取得は今だけでなく、将来にも役立つでしょう。
(8) 信頼できる人に相談する
(9) 部署の異動が可能かどうか
仕事を辞める前に、部署を異動することで今の悩みが解決できないかを考えてみてはどうでしょうか。職場が合わない理由が、環境を変えることで解決できる可能性があります。移動を希望する際は、上司や人事に状況を理解してもらいやすいように、今の職場が辛い原因を具体的に伝えることが大事です。それは、異動先や職種を選ぶ際の参考にもなり、より適した環境を見つける手助けにもなります。感情的にならず、冷静に説明することを心掛けてみましょう。
(10) 転職を視野に入れる
職場が合わないことで、転職を考えた方がよい場合もあります。例えば、職場でストレスを感じ、心身に影響が出てしまっている場合です。特に人間関係の問題は深刻です。理不尽に怒鳴られる、人格否定や人権を傷つけられるような「パワハラ」も大きな問題になっています。ストレスを抱えすぎると倦怠感や食欲不振、朝起きられないなど、様々な症状が出ることもあります。自分の身を守ることを優先に行動することが大事です。
6. まとめ
私自身、この職場は合わないと感じ、会社を辞めたり、転職したことが何度かあります。そのような経験を踏まえて、今回の記事を書きました。
職場が合わないと感じるのは、決して自分だけの問題ではありません。働く多くの人に共通する悩みではないでしょうか。人間には相性というものがあります。会社との相性、そこで働く人立ちとの相性、仕事との相性などです。相性がうまく合わないと、いろいろなことが起こりやすくなります。そのようなことを感じたとき、少しでも参考になることがあれば嬉しく思います。
職場が合わないと感じるのは、決して自分だけの問題ではありません。働く多くの人に共通する悩みではないでしょうか。人間には相性というものがあります。会社との相性、そこで働く人立ちとの相性、仕事との相性などです。相性がうまく合わないと、いろいろなことが起こりやすくなります。そのようなことを感じたとき、少しでも参考になることがあれば嬉しく思います。